素粒子の分類①

 

電子の兄弟がレプトン核子を構成するがクウォーク

 

この世のすべての物質は、

分子、または原子でできています。

 

その原子は、

原子核①電子で構成されます。

 

原子核は、

陽子と中性子(これらをまとめて核子という)からなり、

 

核子は、

②さらに小さな粒子からなります。

 

を物質を構成する基本粒子として、『素粒子』といいます。

んで、①に仲間をレプトン、②のことをクウォークといいます。

 

レプトンとクウォークはそれぞれ6種類ずつ存在します。

 

 

 

トピック①~ADSR(加速器駆動臨界炉)~

加速器と原子炉のハイブリットシステム次世代原子炉

 

・ADSRとは

 →加速器技術と原子炉技術を組み合わせた次世代原子炉であります。

 

・原理

 →①まず加速器で陽子を加速させ高エネルギー状態にします。

  ②①で作った高エネルギー陽子を鉛などの重金属に照射します。

  ③すると核破砕反応が起き、高エネルギー中性子が発生します。

  ④その中性子を未臨界体系に打ち込むことで、核分裂の連鎖反応を起こします。

 

・一般の原子炉との違い

 →[一般の原子炉]:発生する中性子数=消滅する中性子数になるように設定

  [ADSR]:発生する中性子数<消滅する中性子

  したがって、ADSRは加速器を停止するかビームを遮断するかで原子炉が停止する

  仕組みになっており、安全性の高い原子炉といえます。

 

原子炉と組み合わせる以外にもADS(加速器駆動システム)の応用例はいくつかあります。

その紹介はまたいずれ...

ミュオンがとらえる内部磁場分布とゆらぎ

◉電子状態のミクロな指針となりうるミュオン

 

一般に粒子がもつ角運動量に着目した場合、

その回転運動を支配するのは磁場と電場勾配であります。

 

角運動量の量子数が1以上の場合は、

電気四重極能率を持つことができ、「磁場、電場勾配のいずれとも作用」します。

 

しかしミュオンはスピン角運動量が1/2の粒子であるので、

「磁場とのみ作用」します。

したがって、物質中に止まったミュオンスピンが運動する原因が内部磁場であることは確かなことであるといえます。

 

ではその内部磁場とはどこに起源があるのでしょうか。

実際には原子核がもつ磁気双極子モーメントや電子が持つ磁気双極子モーメントが主な起源であります。

 

電子の場合は対象物質の物性が直接かかわってくるため、ミュオンの物質中での存在状態を考え、その物質の電子状態から予想されるミュオン位置での内部磁場分布やゆらぎに基づいて、ミュオンスピン偏極の時間変化を予測することができます。

物質中のミュオンの存在状態③~ミュオンの優れている点2~

中性子線でダメでもミュオンなら…

 

中性子の抱える2つの問題点

 ①研究対象の水素を重水素にしておかなければならない

 ②陽子が伴っている電子の状態(水素原子としての電子状態)についての情報を得られない

 

①について 

中性子は陽子とほぼ同じ質量をもつので陽子から非干渉性散乱を受ける

②について

→水素原子としての電子状態とは、[H⁺、H⁰、H⁻]のこと

 

中性子の抱えるこれらの問題にたいしてミュオンは、

①に関しては同位体を用いなければならないという点は同じですが、

②に関しては、ミュオンの電子状態を調べることで「水素の電子状態」を調べることができます。

 

その理由や詳細はまたいずれ…

物質中のミュオンの存在状態②~ミュオンの優れている点~

X線ではだめでもミュオンなら...

 

水素を対象とした研究において、ミュオンがX線中性子線よりも有利な点を比較していきます。

 

まず、X線の散乱強度は、

『電子の数=原子番号』に比例します。

これすなわち、原子番号1の水素は最も見えにくいことを意味します。

 

しかミュオンの場合は、放射性同位体であり、透過力のあるベータ線によるトレーサレベルの感度を誇ります。

 

一方中性子電荷を持たないので、電子との散乱は起こりません。

 

しかし中性子にも問題点が2つあります。