※お休みいたします。
◉明日2つ記事を上げます。
ゼーマン効果
◉原子から放射される光のスペクトルに磁場をかけると数本に分かれる
これがスピンの発見であります。
トピック①~ADSR(加速器駆動臨界炉)~
◉加速器と原子炉のハイブリットシステム次世代原子炉
・ADSRとは
→加速器技術と原子炉技術を組み合わせた次世代原子炉であります。
・原理
→①まず加速器で陽子を加速させ高エネルギー状態にします。
②①で作った高エネルギー陽子を鉛などの重金属に照射します。
③すると核破砕反応が起き、高エネルギー中性子が発生します。
④その中性子を未臨界体系に打ち込むことで、核分裂の連鎖反応を起こします。
・一般の原子炉との違い
→[一般の原子炉]:発生する中性子数=消滅する中性子数になるように設定
したがって、ADSRは加速器を停止するかビームを遮断するかで原子炉が停止する
仕組みになっており、安全性の高い原子炉といえます。
原子炉と組み合わせる以外にもADS(加速器駆動システム)の応用例はいくつかあります。
その紹介はまたいずれ...
ミュオンがとらえる内部磁場分布とゆらぎ
◉電子状態のミクロな指針となりうるミュオン
一般に粒子がもつ角運動量に着目した場合、
その回転運動を支配するのは磁場と電場勾配であります。
角運動量の量子数が1以上の場合は、
電気四重極能率を持つことができ、「磁場、電場勾配のいずれとも作用」します。
しかしミュオンはスピン角運動量が1/2の粒子であるので、
「磁場とのみ作用」します。
したがって、物質中に止まったミュオンスピンが運動する原因が内部磁場であることは確かなことであるといえます。
ではその内部磁場とはどこに起源があるのでしょうか。
実際には原子核がもつ磁気双極子モーメントや電子が持つ磁気双極子モーメントが主な起源であります。
電子の場合は対象物質の物性が直接かかわってくるため、ミュオンの物質中での存在状態を考え、その物質の電子状態から予想されるミュオン位置での内部磁場分布やゆらぎに基づいて、ミュオンスピン偏極の時間変化を予測することができます。